遊びの構造

民族学者のレヴィ=ストロースは著書「野生の思考」の中で、文化の成り立ちについて書いています。

まず自然から少数要素を取り出します。

それらを結び付けることで構造を作ります。

構造を組み合わせたり、変換することで人間の文化は形成されてきた。とあります。

遊びの構造

「鬼ごっこ」を例に、遊びを構造という視点で見てみます。

様々な遊びのパーツ
①私たちの身の回りには、素材、道具、運動、現象など、遊びの素になるパーツがあります。

パーツとパーツを組み合わせる
②それらのパーツとパーツを組み合わせると「構造」が出来ます(パーツ自体がすでに構造だったりもします)。

例えば「鬼」「子」「追う−逃げる」のパーツを組み合わせてると「追いかけっこ」という遊びの構造が出来ます。

構造にパーツを組み込む
③すでにある遊びの構造に、新たにパーツを加えることで、違う遊びに変化します。

追いかけっこに「くすぐる」を加えると「くすぐり鬼」。

追いかけっこに「タッチ−鬼交代」を加えると「鬼ごっこ」になります。

構造の一部を変化させる
④遊びの構造の一部を変化させたり、交換することにより、遊びのバリエーションが増えます。

氷鬼」の一部を変えると「バナナ鬼」になります。

まとめ

遊びの構造を変化させることで、新しい遊びを作り、豊かな遊び文化を広げることが出来ます。

このような、寄せ集めの道具や素材を組み合わせ、必要な物を手作りすることを「ブリコラージュ」とも言います。

子ども達はこのブリコラージュがとても得意です。

ブリコラージュによって新しい遊びを作り出します。

【参考リンク 】「ブリコラージュとエンジニアリング

各遊びの構造を作っているパーツと遊びリンク

【追いかけっこ】
鬼+子+追う−逃げる

おいかけっこ
ルールが理解出来ない幼児でも楽しめる、鬼ごっこの原点的な遊びです。

【くすぐり鬼】
鬼+子+追う−逃げる+捕まえる+くすぐる

くすぐり鬼
逃げる子を追いかけて、捕まえたら体をコチョコチョとくすぐります。

【鬼ごっこ】
鬼+子+追う−逃げる+タッチ+鬼交代

鬼ごっこ
鬼は子を追いかけます。子は鬼から逃げます。鬼は子をタッチをするとで、鬼と子の役割を交代する遊びです。

【氷鬼】
鬼+子+追う−逃げる+タッチ+氷−動けない+仲間が助けると復活

氷鬼 こおりおに
鬼にタッチされた子は、体が氷のように固まって動けなくなる鬼ごっこです。仲間がタッチすることで元に戻ります。

【バナナ鬼】
鬼+子+追う+逃げる+鬼がタッチ+バナナのマネ−動けない+仲間が助ける−復活

バナナ鬼
鬼にタッチされたらバナナになってしまう、氷鬼に似た鬼遊びです。幼稚園や保育園でも人気の鬼遊びです。

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