レヴィ=ストロースの著書「野生の思考」の中で、ブリコラージュと、エンジニアリングという二つの思考方法が紹介されています。
これらの思考方法は遊びの作り方やおもちゃの作り方にも、共通していると私は思います。
ブリコラージュとは
その場にある寄せ集めの道具や素材を組み合わせ、必要な物を手作りします。
手作りをするので「ズレ」や「ゆらぎ」をはらみます。
作った物(構造)の一部を変化させたり、繰り返し作り変えることで、豊かな文化の世界が広がります。
野生の思考。
ブリコラージュによる遊びの作り方
子ども達の遊びは、その場に偶然あった素材(パーツ)を組み合わせて遊びを作ります。
それまであった遊びのルール(構造)の一部を変化させることで、新たな遊びを作ることも出来ます。
誰もが容易に遊びを作り出すことが出来るので、多様で豊かな子どもの遊び文化が生まれてきました。
エンジニアリングとは
初めに設計図(概念)を作ります。
その為の道具や材料を集め設計図通りに完成させます。
同じものを大量生産したり、用途にピッタリと合った物を作るのに向いています。
設計図通りに作るので無駄がありません。
科学的思考。
エンジニアリングによる遊びの作り方
遊び方が決まっているおもちゃ、遊園地の遊び、プラモデル、デジタルゲーム、カードゲームなどは、エンジニアが遊びの設計図(プログラムやルール)を作ります。
必要な道具や材料を用意し、設計図通りに遊びを作ります。
作られた遊びを子ども達が遊びます。
設計図を元に同じ遊びを大量に作ったり、同じ遊びを多くの子どもに届けることが出来ます。
遊びを作りだすことが出来るのはエンジニアだけです。
まとめ
子ども達はブリコラージュによる思考方法が得意です。
何度も繰り返し遊び、時には遊びの構造を組み合わせたり変換させて新しい遊びを作り出します。
大人たちはエンジニアリングによる思考の遊びが得意です。
経験や知識があるので、頭の中で遊びの設計図を作ることが出来ます。
遊びの設計図には、スタートとゴールがあります。
効率よくゴールへの最短距離を目指すことが出来るので無駄がありません。
どちらが良いとか悪いということはありません。
それぞれ数ある思考法の中のひとつにすぎません。
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